近鉄、FGT開発を推進へ
【出典元】
http://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/freegauge.pdf
フリーゲージトレイン開発推進に向けて
ここにきてまさかの急展開。
本日、近鉄において軌間可変電車(フリーゲージトレイン=FGT)の実用化に向けて開発を進めていくと発表。
6月22日付 役員の異動にあわせて、同社の総合研究所にFGT開発推進担当役員を就任させることとしました。
〇 フリーゲージトレインとは
車軸に取り付けられた車輪を左右にスライドさせ、レール幅(軌間)の異なる線路に合わせて車輪の幅を変えることができる機構を持つ車両のこと。
軌間の異なる線路を接続するように設置された軌間変換装置を通過することにより、軌間を変更することが可能です。
近鉄では2種類のレール幅が存在しており、大阪難波駅や大阪上本町駅を起点とする奈良線・大阪線や京都線系統等では1435mmの標準軌が、大阪阿部野橋駅を起点とする南大阪線・吉野線系統ではJRの在来線と同じく1067mmの狭軌が採用されており、レール幅の統一がなされていないのが現状です。
そこで、FGTの開発を行うことにより、標準軌の橿原線、狭軌の吉野線との接続点にあたる橿原神宮前駅での系統分断を解消し、直通運転を目指すという計画が今回発表されたのです。
これにより、京都駅~(標準軌)~橿原神宮前駅間、橿原神宮前駅~(狭軌)~吉野駅間の軌間の違いのため分断されている橿原神宮前駅での乗り換えが解消されることとなり、将来的には京都駅~吉野駅間を一本で結ぶ新たな観光輸送ネットワークが構築されます。
〇 しかし課題も…
▲第一次試験車両(GCT01)
(画像引用元:Wikipedia)
我が国においてのFGTの歴史は1998年(平成10年)まで遡り、国土交通省、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が主体となり開発を進めてきました。
しかし、高速域での走行試験により車軸に傷が見つかるなど課題が残る結果となり、今もなお実用化の目処は立っておりません。
開発費は嵩むばかりで開発を断念する可能性も…
ただ、これまで行ってきた走行試験はあくまでも新幹線とJR在来線を一本で結ぶためのFGT(新在直通)を想定したものであり、今回発表された近鉄のように最高速度130km/hと比較的低速域の場合ならば、車軸への負荷も抑えられ、試験結果が良好となることも十分有り得るのです。
結果次第では、日本の鉄道に与える影響はかなり大きなものとなり、在来線における標準軌の路線と狭軌の路線による直通運転が一気に加速するかも知れません。
【お知らせ】
昨年の11月以来、久々のブログ更新となってしまい本当に申し訳ありません…今後はもう少し更新頻度を上げていきたいと思います。稚拙な文章で見辛いブログではありますが、今後ともどうかお付き合いください…