JR東日本、次世代新幹線試験車両「ALFA-X」を導入
http://www.jreast.co.jp/press/2017/20170705.pdf
次世代新幹線の実現に向けた試験車両の新造について
続いて、JR東日本の新幹線の話題です。
JR東日本ではこのたび、技術⾰新中⻑期ビジョン(2016年11⽉発表)における「次世代新幹線の実現に向けた開発」を進めるための試験プラットフォームとして新幹線の試験⾞両を
新造すると発表しました。
形式はE956形新幹線電車で、編成は10両編成。2019年春に落成予定とされております。
愛称名はALFA-X(アルファエックス)。
『Advanced Labs for Frontline Activity in rail eXperimentation』
“最先端の実験を⾏うための先進的な試験室(⾞)”の略語です。
次世代新幹線の開発コンセプトとしては以下の4点が挙げられます。
- さらなる安全性・安定性の追求
- 快適性の向上
- 環境性能の向上
- メンテナンスの⾰新
それらを踏まえて、今回新造されるALFA-Xにより検証を進めていくとのことです。
JR東日本では、これまでに2形式の試験車両を導入し、今後の新幹線の在り方について検証を進めてきました。
1992年(平成4年)に導入され、極限まで軽量化や高速化を追求したSTAR21。
2005年(平成17年)には、東北新幹線における360km/h運転を目指し、ネコ耳のような特徴的な空力ブレーキを搭載するなど、最高水準の信頼性、快適性や環境との調和を追求するために導入されたFASTECH360。
それらの試験結果を踏まえ、これまでにE2系やE5系など、様々な新機軸を採用した新幹線車両が導入されてきました。
今回導入されるALFA-Xでは安全性・安定性を追求し、ひとつ上の安定、安全を実現するとのことです。
新潟県中越地震や東日本大震災と、2度の大きな震災を経験したJR東日本だからこそ可能とした機構とも言えますね。
快適性も大幅に向上させるとし、動揺防⽌制御装置等の搭載、吸⾳性・遮⾳性の⾼い⾞体構造等の試験により、“揺れない”、“静か”といった快適な⾞内空間の実現を⽬指します。
速達性を⾼めるため、営業運転での最⾼速度 360 ㎞/h の可能性を技術的に検証。
どうやら東北新幹線における360km/h運転はまだ断念した訳では無かったようで、FASTECH360の想いはALFA-Xに引き継がれます。
まだまだ進化をつづける新幹線。
先日のN700S導入のニュースに引き続き、更なる速達化・安全性・快適性を求めた新幹線車両が登場するかも知れないということで、非常に楽しみになってきました。